春から夏へと変わるこの季節、ふと立ち止まって考えることがあります。「なぜ、あのお店はあの味を変えないんだろう」と。流行のメニューを取り入れたり、コストを下げるために食材を変えたり——そういう選択をする飲食店は少なくありません。でも、13年間通い続けてくださるお客様がいる店には、「変えない」理由がある。
フジムラです。京田辺市松井山手で鉄板バル藤村商店を営んでおります。今日は普段あまり表に出さない話を、少しだけ聞いてもらえますか。なぜうちが手作りにこだわり続けているのか。その答えを、13年分の言葉でお伝えしたいと思います。
こんな方におすすめ
- ✅ 「本当に手作り」の料理を出す店を探している方
- ✅ 藤村商店のこだわりや裏側を知りたい方
- ✅ 京田辺・松井山手エリアで行きつけのお店を見つけたい方
- ✅ 気取らず通える鉄板料理の店を探している方
- ✅ 女子会や夫婦ふたりでゆっくり過ごせる場所を求めている方

「手作り」をやめることは、何かを裏切ることだと思っている
正直に言います。手作りは手間がかかります。仕込みの時間も、材料費も、既製品を使えばもっと楽になる部分がたくさんあります。それでも変えないのは、料理人としての意地というより、もっとシンプルな理由です。
開業前、私はホテルのレストランで33年近く、接客と料理の現場に立ち続けてきました。その経験の中でずっと感じていたのは、「本物の美味しさは、誰かの手と時間からしか生まれない」ということ。素材を見て、触って、状態を判断して、最適な調理をする。その一連の作業を省いたとき、料理は「商品」になってしまう気がするんです。
うちに来てくださるお客様は、味に敏感な方が多い。「何を食べても美味しい」と言っていただけるのは、毎日の仕込みを手を抜かずにやっているからだと信じています。もしコストのために何かを変えたとき、きっとすぐに気づかれる。それが怖いというより、そういう方々への誠実さとして、手作りを続けています。
名物「うそつきピザ」が生まれた日のこと
「うそつきピザって、なんでそんな名前なんですか?」とよく聞かれます。その答えは、名前の通りです——ピザじゃないから(笑)。
生地はお好み焼き用の粉をベースにしています。ピザ窯ではなく、鉄板とバーナーで仕上げる。見た目はピザ。でも食べると「あれ、なんか違う……でも美味しい」という顔をされる。それが狙いでした。
開業当初、「鉄板バルにしかできない一品を作りたい」とずっと考えていました。ステーキや炒め物は鉄板の得意技ですが、もっとお酒に合う、みんなでわいわい食べられるものが欲しかった。そこで思いついたのが、鉄板の特性を活かしたこの一品です。生地を鉄板で焼くことで、外はカリッと、中はもちっとした食感が生まれる。普通のピザ生地では出せないこの食感は、13年経った今も変わっていません。
「うそつきピザは毎回取り合い」と言ってくださるお客様がいます。テーブルに出した瞬間に手が伸びて、気づいたらなくなっている——それが一番の褒め言葉です。レシピはずっと同じ。変える理由が見つからないんです。
✓ ここまでのポイント
- 藤村商店が手作りにこだわる理由は、コストや効率より「お客様への誠実さ」にある
- 名物うそつきピザは、鉄板バルにしかできない一品を追求した結果生まれたオリジナルメニュー
- 33年の現場経験から「本物の美味しさは手と時間から生まれる」という信念を持ち続けている
鉄板の温度は、肉の気持ちに合わせて決める
お客様には「美味しかった」の一言で伝わればいい話ですが、せっかくなので少しだけ裏側を。
うちの鉄板は厚さ約25mmあります。この厚みが蓄熱性を生み出し、肉を乗せても温度が下がりにくい。200℃を超えた鉄板に肉を置いた瞬間、表面がギュッと焼き固まって、中の旨みと肉汁を閉じ込める。これがジューシーな仕上がりの正体です。
ただ、温度は一律ではありません。牛ハラミのように繊維が独特な部位は、少し温度を抑えながら時間をかけることもある。A5ランクの飛騨牛や宮崎産黒毛和牛は、脂の融点が低いので高温で一気に仕上げる。熟成度によっても変わります。毎日、肉を触って、目で見て、その日の状態を判断してから鉄板に向かっています。
「肉に合わせて鉄板を使い分ける」というより、「その肉のポテンシャルを最大限に引き出す温度を選ぶ」という感覚に近い。これは数値化できないんです。33年間積み重ねてきた経験と感覚でしか判断できない部分です。
地元の野菜を使い続ける、もうひとつの理由
バーニャカウダに使う野菜は、京田辺・久御山・八幡・宇治田原産のものを中心に仕入れています。地産地消というのは、今では飲食店の「うたい文句」になりがちですが、うちがそれを続けているのは少し違う理由もあります。
地元の農家さんの野菜は、鮮度が違います。輸送距離が短いから当たり前ですが、それだけじゃない。季節の変わり目に「今週はこれが旨い」という情報が直接入ってくる。規格外のサイズでも、味は一級品のものが回ってくることもある。そういう食材と出会える環境を、お店として大切にしてきました。
松井山手というエリアは、住宅地として発展してきた落ち着いた街です。ここに根ざして13年、地域の方々に支えてもらってきた。地元の野菜を使うのは、ある意味その恩返しでもあると思っています。
「何を食べても美味しい。一人でもグループでも居心地がいいので、気づいたら常連になっていました。また来たくなるお店です」
40代・女性
「コスパが良くて、料理のクオリティが高い。うそつきピザは毎回取り合いになるので、最近は最初に2枚頼むようにしています(笑)」
30代・女性グループ
13年変えなかったこと、これからも変えないこと
13年間、手作りにこだわり続けた結果として言えることがあります。それは「変えないことで、通い続けてくださるお客様が生まれる」ということ。
常連の方が「あの味、変わってないね」と言ってくださる瞬間が、正直一番嬉しいです。新しいメニューも生まれますが、軸になる部分——素材を丁寧に扱うこと、手をかけて仕込むこと、鉄板の前でその日の食材と向き合うこと——これは変えません。
18席という小さな空間で、オープンキッチンから焼ける音と香りが届く。お客様との距離が近いから、リアクションが直接伝わってくる。それがこの店の形であり、続けていく理由でもあります。気取らず普段使いできる鉄板バルとして、松井山手でこれからも続けていきます。
まとめ:手作りと鉄板の先にあるもの
長くなりましたが、最後まで読んでくださってありがとうございます。手作りにこだわり続ける理由を一言でまとめるなら、「それが一番美味しいから」です。当たり前のことかもしれないけれど、その当たり前を守り続けることが、実は一番難しくて、一番大切なことだと思っています。
今年のゴールデンウィーク、通常定休日の4月28日(火)・5月5日(火)も営業しております。ぜひどうぞ。お一人でも、ご夫婦でも、女子会でも、ゆっくりと過ごしていただける席をご用意してお待ちしております。14名以上であれば貸切のご相談もお気軽に。
ご予約・お問い合わせはお電話または食べログからどうぞ。
📞 0774-64-1164
ご予約はこちら
松井山手駅から徒歩6分、松井ヶ丘交差点すぐそば。駐車場も1台ございます。皆さまのお越しをお待ちしております。


コメント