結論から言うと、飛騨牛を選んでいる理由はただ一つ。「鉄板との相性が、ほかの牛肉と比べて群を抜いている」からです。ブランド名で選んでいるのではなく、熱を入れたときの肉の反応を見て選んでいる。その話を、今日は少し詳しくさせてください。
フジムラです。京田辺市松井ヶ丘で鉄板バル藤村商店を営んでおります。開業してから13年、その前のホテル時代を含めると飲食の世界に関わって33年になります。ずっと食材と向き合い続けてきた立場から、普段はあまり表に出さない仕入れの話をお伝えしようと思いました。
こんな方におすすめ
- ✅ 鉄板焼きの食材へのこだわりが気になる方
- ✅ 飛騨牛と他のブランド牛の違いを知りたい方
- ✅ 「なんとなく美味しい」ではなく、理由のある美味しさを味わいたい方
- ✅ 京田辺・松井山手エリアで本格的な肉料理を楽しめる店を探している方
- ✅ 料理人のこだわりや仕事の裏側に興味がある方

飛騨牛は「ブランド」ではなく「鉄板との対話」で選んでいる
肉の仕入れを考えるとき、多くの人はまずブランド名を気にします。「A5ランクか?」「有名産地か?」という視点です。もちろんそれも大切なのですが、鉄板料理においては、もう一つ重要な視点があります。それは「加熱したときに肉がどう変化するか」です。
200℃を超える分厚い鉄板に肉を置いたとき、脂の溶け方、表面の焼き色のつき方、肉汁の動き方——これらすべてが産地や部位によって微妙に異なります。私が長年の経験から気づいたのは、飛騨牛の脂の融点がこの鉄板調理と非常に相性が良いということです。
飛騨牛はサシ(霜降り)がきめ細かく、脂の融点が低い。だから鉄板に当てた瞬間に脂がじわりと溶け出し、肉の表面をコーティングしながら香ばしく仕上がる。同時に、蓄熱性の高い25mm厚の鉄板が一気に表面を焼き固めることで、中の肉汁を逃さない。この「外はパリッ、中はジューシー」という状態を、もっとも安定して再現できるのが飛騨牛だというのが、私の33年間の結論です。
産地・部位・熟成度——仕入れに手を抜かない三つの基準
飛騨牛と一口に言っても、仕入れの際に必ず確認することが三つあります。
一つ目は産地の確認。岐阜県内でも飼育環境や飼料は農家によって異なります。私が信頼しているのは、牛のストレス管理や飼料の内容についてきちんと情報開示してくれる生産者です。「どこ産か」ではなく「誰が育てたか」まで追いかけるようにしています。
二つ目は部位の選択。藤村商店では牛ハラミステーキが定番メニューの一つですが、同じ飛騨牛であっても、どの部位をどの料理に使うかは毎回吟味しています。ハラミは横隔膜の肉で赤身の旨みが強く、鉄板で高温調理すると香ばしさが増す。このキャラクターが鉄板バルの料理にぴったりはまるんです。
三つ目は熟成度の見極め。お客様には見えない部分ですが、肉の熟成具合は旨みに直結します。熟成が足りないと肉が固く、旨みも薄い。逆に熟成が進みすぎると風味が変わる。この「ちょうどいい状態」を目と手と鼻で確認することが、料理人の仕事の出発点だと思っています。
✓ ここまでのポイント
- 飛騨牛を選ぶのはブランド名ではなく、鉄板との相性(脂の融点・加熱反応)が理由
- 仕入れは「産地・部位・熟成度」の三つの基準で毎回吟味している
- 25mm厚の鉄板で高温調理することで、飛騨牛の旨みと肉汁を最大限に引き出している
「お客様には言わないけれど」——仕入れの裏側にある話
正直に言うと、仕入れのコストは毎月頭を悩ませます。飛騨牛のA5ランク、しかも信頼できる流通ルートとなると、それなりの価格になります。「もう少し安い肉に切り替えれば」と考えたことが全くないかといえば、嘘になります。
でも結局、変えられないんですよね。なぜかというと、鉄板の前に立って肉を焼くとき、自分自身が「これでいい」と思えないから。ホテルのレストランで接客していた頃から、料理に対する誠実さだけは曲げたくないという気持ちがずっとあります。お客様が口に入れた瞬間の表情を、料理人はカウンター越しに見ているんです。その瞬間に嘘はつけません。
だから藤村商店の客単価は3,000円から6,000円という、決して高すぎない設定を保ちながら、食材へのこだわりは妥協しないという方針でやっています。「コスパが良い」とよく言っていただけるのは、この部分が伝わっているのかなと、ひそかに嬉しく思っています。
「何を食べても美味しい。コスパも良くて、また絶対来たいと思えるお店です」
40代・女性 常連のお客様
「うそつきピザは毎回取り合いになるくらい人気で、一人でもグループでも居心地がいい」
30代・女性 お友達グループでご来店
飛騨牛だけじゃない——地元野菜との組み合わせにも仕入れの哲学がある
肉へのこだわりばかり話しましたが、実は野菜の仕入れも同じくらい大切にしています。藤村商店では京田辺・久御山・八幡・宇治田原といった地元産の野菜を積極的に使っています。
理由はシンプルで、地元の野菜は鮮度が違う。流通距離が短ければ短いほど、野菜の持つ甘みや水分が失われていない。バーニャカウダに使う野菜の素材感は、その鮮度がそのまま料理の完成度に出ます。飛騨牛という「遠くから来る最高の肉」と、地元産という「近くにある最高の野菜」——この組み合わせが藤村商店らしさだと思っています。
名物の「うそつきピザ」に使う食材も同様です。お好み焼き用の粉を生地に使ったオリジナルのこのメニュー、毎回テーブルで取り合いになるほど人気なんですが、その美味しさを支えているのも素材の吟味です。バーナーで仕上げる工程も含めて、ひとつひとつの料理に小さなこだわりを積み重ねています。
「普段使いできる店」にこそ、本物の食材を
開業のときから「気取らず普段使いできる鉄板焼きの店を作りたい」という気持ちでやってきました。高級店ではなく、気軽に来られる店。でも、だからこそ食材や料理には手を抜かない。むしろ、普段使いの店だからこそ、毎回来てくれるお客様に「また美味しかった」と思ってほしいんです。
松井山手という住宅地の中にある小さな鉄板バルが、なぜ飛騨牛を選ぶのか。答えはそこにあります。ブランドのためでも見栄のためでもなく、カウンターの向こうのお客様の表情のために選んでいる。それがフジムラの、仕入れへの本音です。
まとめ:一口目に込められた、見えない仕事の積み重ね
鉄板バル藤村商店が飛騨牛を選ぶ理由、少し伝わりましたでしょうか。産地・部位・熟成度を見極め、25mm厚の鉄板と組み合わせることで生まれる一皿は、長年の経験と毎回の吟味から生まれています。地元野菜との組み合わせも含めて、「普段使いできるお店だからこそ本物を」という考え方がすべての基本にあります。
京田辺市松井山手にお住まいの方はもちろん、八幡市・枚方市・宇治田原方面からもぜひ一度足を運んでみてください。松井山手駅から徒歩6分、松井ヶ丘交差点から50mのところです。一人でも、ご夫婦でも、女子会でも、宴会でも——14名以上であれば貸切のご相談も承っています。
ご予約・ご来店、お待ちしております。まずはお気軽にお電話またはネット予約でどうぞ。
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