「今夜どこか行こう」と思い立って飲食店を検索していると、席数100超えの大箱居酒屋ばかりが上位に並んでいた、なんて経験はありませんか。賑やかなのは悪くないけど、今日はそうじゃないんだよな――と画面をスクロールしながらため息をついた夜が、きっと誰にでも一度はあるはずです。
京田辺市・松井山手の住宅地にひっそりと構える鉄板バル藤村商店は、席数わずか14席。「小さすぎて予約が取りにくいのでは?」と思われる方もいるかもしれません。でもここでは、その「小さいこと」がそのままこの店の最大の魅力になっています。
今回はオーナーシェフ・藤村知広さんの開店準備から閉店まで、一日の流れを追いながら、この14席の空間が持つ力の正体に迫ってみました。
こんな方におすすめ
- ✅ 松井山手・京田辺市近辺でゆっくり飲める店を探している方
- ✅ 大箱居酒屋ではなく、落ち着いた小さな店に行きたい方
- ✅ 一人でも女性同士でも気軽に入れる鉄板焼きのお店を知りたい方
- ✅ 鉄板料理の調理へのこだわりを知りたい方
- ✅ 宴会・女子会・誕生日など少人数の特別な席に使えるお店を探している方

午後3時。仕込みは「鉄板との対話」から始まる
藤村さんが店に入る時間は、だいたい午後3時前後。開店は夕方なので、まだ3時間以上ある。それでも「仕込みに焦りたくない」という理由から、この時間に来るのが習慣になっているそうです。
最初にやることは、鉄板の点火と状態確認。厚さ約25mmの分厚い鉄板は、温度が上がりきるまでに時間がかかります。それだけに「今日の鉄板の機嫌はどうか」を確かめるのが、一日の仕込みのスタートになっています。
「鉄板って生き物みたいなところがあって、同じ設定でも日によって微妙に違うんです。季節、外気温、前日の使い方。全部がちょっとずつ影響する。だから毎回、ちゃんと向き合うようにしています」
業界経験33年。ホテルのレストランで接客を学び、鉄板焼きの世界に転じた藤村さんにとって、鉄板との関係はもはやパートナーのようなものです。200℃を超える温度まで鉄板を熱することで、肉の表面を瞬時に焼き固め、中の旨みと肉汁を閉じ込める。この原則を守るために、準備を惜しまない。
仕込みのもう一つの柱が、野菜の下処理です。京田辺、久御山、八幡、宇治田原といった地元産の野菜を使うこだわりがあり、その日届いた野菜の状態を見ながら使い方を決める。「規格が揃ってなくていい。それより新鮮さと味が大事」という考え方は、13年間変わっていません。
午後5時半。小さな店だから生まれる「開店前の緊張感」
開店30分前になると、空気が変わります。14席という限られたスペースを、いかに心地よく整えるか。照明の角度、カウンターの拭き方、グラスの並べ方。「大きな店だと分業できることを、ここでは全部自分で見られる。それが結果的に質につながってると思う」と藤村さん。
席数が少ないことは、見えていないところでの管理コストを下げてくれるという側面もあります。食材のロスが減り、料理の質を保ちやすい。小回りが利くから、当日の食材の状態に合わせた提供ができる。小さいことは、経営的にも料理的にも「強み」なのです。
そして何より、14席というサイズ感は「お客様と話せる距離」を生み出してくれます。オープンキッチンのカウンターに座れば、鉄板の前で焼く藤村さんと自然に会話が生まれる。テーブル席でも、他のお客様の笑い声がBGMのように流れ込んでくる。大きな店では絶対に生まれない「密度」が、この店の空気をつくっています。
✓ ここまでのポイント
- 厚さ25mmの鉄板は毎日の点火から「対話」が始まる。温度管理へのこだわりが料理の質を支えている
- 地元産野菜の仕込みと14席の空間設計は、大きな店にはできない「小さな店の強み」そのもの
午後7時。鉄板の前にいるお客様の顔が、一番の答え
週の賑わいのピークは金曜・土曜の夜。常連の夫婦が並んでカウンターに座り、初めて来た女性グループが「うそつきピザ」の見た目に歓声を上げる。そういう光景が、この店の日常です。
名物の「うそつきピザ」は、お好み焼き用の粉を生地に使って鉄板で焼き上げ、最後にバーナーで仕上げる独自メニュー。「ピザに見えるけど実はお好み焼き?なんでうそつきなの?」と聞かれるたびに説明するのが、藤村さんにとっての小さな楽しみになっています。「毎回取り合いになるんですよ」と笑う顔は、本当に嬉しそう。
「うそつきピザは毎回取り合いになる。何を食べても美味しいし、コスパも良い。また来たくなるお店です」
40代・女性グループのお客様
牛ハラミステーキ、地元野菜のバーニャカウダ、鉄板だし巻き。どれも「普段使いできる価格で、ちゃんと美味しいもの」を目指して作られています。客単価は3,000円〜6,000円ほど。飲み放題付きのコースも用意されているので、女子会や歓送迎会の計算が立てやすいのも支持される理由の一つです。
14名以上で貸切も可能なので、ちょっとした宴会や誕生日のお祝いにも対応できます。誕生日ケーキの持ち込みもOK。「特別な日を普通のテンションで楽しめる店」――それが藤村さんの目指す場所です。
午後9時。閉店後に藤村さんが考えること
最後のお客様を送り出し、鉄板を丁寧に磨く時間。「この作業が、明日の自分への準備」だと藤村さんは言います。焼きカスを落とし、油を馴染ませ、鉄板を休ませる。33年の経験があっても、この儀式は変わりません。
「ホテルにいた頃から、お客様が帰り際に見せる表情が好きで。満足してるかどうか、それだけ見てました。今も同じです。14席だから、全員の顔が見える。それが今の仕事の好きなところ」
気取らず普段使いできる鉄板焼きの店を作りたいという想いで13年前に独立した藤村さん。規模を大きくすることより、今の14席を毎日きちんと満たすことに誇りを持っています。
「一人でもグループでも居心地がいい。本当にまた来たくなるお店」
30代・女性(常連のお客様)
まとめ:松井山手で「ちょうどいい夜」を過ごすなら、ここです
大きな店では埋まりきらない、小さな空間でしか生まれない温度感があります。鉄板バル藤村商店の14席は、まさにそういう場所です。仕込みから閉店まで、一日を通して変わらないのは「来てくれた人に、ちゃんと美味しいものを食べてもらいたい」というシンプルな軸。それが、13年間この店が地元・松井山手で愛され続けてきた理由だと思います。
松井山手駅から徒歩6分、松井ヶ丘交差点からすぐ。駐車場も1台ご用意しています。定休日は火曜日ですが、2025年4月28日(火)・5月5日(火)は営業しますので、ゴールデンウィークのご利用もぜひどうぞ。
「どんな席になるかな」と少しだけ楽しみにしながら予約する、そういう使い方が一番似合うお店です。お一人様でも、女子会でも、夫婦でも、常連になってくれる方も――全員にとっての「行きつけ」になれるよう、お待ちしています。
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