飲食店の常連客って、実はそのお店に週に何回通っているのでしょう。食べログの調査データによると、「お気に入りの店」に月2〜3回以上通うと答えたユーザーは全体の約30%にのぼるそうです。つまり3人に1人近くは、「ここだ」と決めたお店に高頻度で足を運んでいる。では、週2ペースで通い続けるほど人を引き寄せる店とは、いったい何が違うのか——。
今回、私が1ヶ月間みっちり通い続けたのが、京田辺市松井ヶ丘にある鉄板バル藤村商店です。松井山手駅から徒歩6分。住宅地の中にひっそりと構えるこの店に、気づけば8回足を運んでいました。通い始めたのはもともと「子どもも連れていける気軽な鉄板焼きの店を探していた」という単純な理由でしたが、気づけばオーナーシェフの藤村知広さんの仕事ぶりに引き込まれ、ある日は開店前から、ある日は閉店近くまで居座って話を聞いていました。
この記事では、その1ヶ月の密着記録をもとに、藤村さんの一日の流れと、家族で通い続けたくなる理由をリアルに届けします。「本物の美味しさを家族で味わえる、普段使いの鉄板バル」を探している方には特に読んでほしい内容です。
こんな方におすすめ
- ✅ 家族や夫婦で気軽に通える美味しい店を探している方
- ✅ 鉄板焼きをカジュアルに楽しみたい方
- ✅ 松井山手・京田辺エリアで行きつけのお店を見つけたい方
- ✅ コスパよく本格的な料理を食べたい方
- ✅ 子どもや家族と一緒に落ち着ける雰囲気のお店を知りたい方

午後3時。仕込みの鉄板の前に立つ藤村さんの背中
最初に藤村さんの「開店前」を見せてもらったのは、密着3週目のことでした。午後3時ごろ店に顔を出すと、厨房では分厚い鉄板がじんわりと温められ始めているところでした。
「鉄板って、温め方にも時間をかけるんですよ」と藤村さんは言いました。使っているのは厚さ約25mmの鉄板。一般的な家庭のホットプレートとは比べ物にならない蓄熱量を持ち、200℃を超える高温で肉の表面を瞬時に焼き固めることで、中の旨みと肉汁を閉じ込めます。「急いで熱しても鉄板に歪みが出ることがある。だから少しずつ、丁寧に上げていく」。33年の料理経験が、こんな細部に宿っています。
仕込みでは、その日仕入れた肉の状態を一枚一枚確かめる作業があります。A5ランクの飛騨牛や宮崎産黒毛和牛、定番の牛ハラミ——それぞれ熟成度や脂の入り方が異なるため、「今日の肉はどの温度帯で焼くか」をこの段階でほぼ決めてしまうのだといいます。ホテルのレストランで接客の現場を長く経験してきた藤村さんにとって、「料理は出す前に勝負が決まっている」という感覚は、今も変わらないようです。
野菜の仕込みも丁寧です。京田辺・久御山・八幡・宇治田原といった地元産の野菜を中心に使い、バーニャカウダやサラダなどに展開していきます。「地元の野菜は鮮度が全然違う。それだけで料理の8割は決まる」と藤村さんは言い切ります。
午後5時30分。扉が開く瞬間の空気
開店時間が近づくと、店内の空気が少し引き締まります。18席とコンパクトな空間に、オープンキッチンのカウンターが向かい合う構造。ここが藤村さんの舞台です。
最初の来客は常連の夫婦でした。「また来ちゃいました」と笑いながら席につく奥さまに、藤村さんは「いつもありがとうございます、今日いい肉が入ってますよ」とさらりと返します。予約なしのふらっと来店——それでも顔を覚えていて、その人の好みに合わせた一言が出てくる。ホテル勤務時代に磨かれた接客感覚が、こんなかたちで活きています。
私が家族(夫と小学生の子ども1人)で初めて訪れたのは密着1週目でした。正直、「鉄板焼きの店」と聞いてちょっと身構えていた夫も、暖色の照明とざっくばらんな藤村さんの話し方に、5分もしないうちに肩の力が抜けていました。子どもが多少にぎやかにしても「どうぞどうぞ」という雰囲気がありがたかったです。客単価は3,000〜6,000円。家族3人で飲んで食べてちょうど収まるくらいで、終わった後に「また来ようか」と自然に口に出ました。
✓ ここまでのポイント
- 藤村さんは開店3時間前から鉄板の温め方・肉の状態確認・地元野菜の仕込みを丁寧に行っている
- 33年の経験に裏打ちされた「出す前に勝負を決める」仕込みへのこだわりが美味しさの源泉
- 客単価3,000〜6,000円で家族でも無理なく楽しめるカジュアルさが、通いやすさにつながっている
「うそつきピザ」が取り合いになる理由を、4回食べてわかった
1ヶ月8回通って、毎回必ず注文したメニューがあります。名物の「うそつきピザ」です。
お好み焼き用の粉を生地に使い、バーナーで仕上げるオリジナルメニュー。ピザでもお好み焼きでもない、藤村商店にしかない一品です。初めて食べたとき、正直「名前の通りピザじゃないな」と思いました。でも、食べる手が止まらない。生地のもっちり感とトッピングの組み合わせ、バーナーで焦げた端のカリカリ感——気づけば家族3人で取り合いになっていました。
お客様の声にも「うそつきピザは毎回取り合い」という声が届いているほどで、4回食べて4回とも皿が空になった。一皿では足りなくて追加注文したことも一度や二度ではありません。
牛ハラミステーキは、密着中に3種類の焼き加減で食べ比べました。鉄板の温度を肉ごとに使い分けているという話を聞いてから食べると、ミディアムレアの断面から滲む肉汁の意味が変わって見えます。「素材のポテンシャルを最大限に引き出す」という藤村さんの言葉は、ちゃんと皿の上で証明されていました。
鉄板だし巻き、地元野菜のバーニャカウダ、アヒージョ——どれを頼んでもハズレがない。「何を食べても美味しい」「また来たくなるお店」という声が多く届いているのは、料理のラインナップが広くどれも丁寧に作られているからだと、通い続けて実感しました。
「何を食べても美味しい。コスパが良いし、一人でもグループでも居心地がいい。また来たくなるお店です」
常連のお客様より
午後9時以降。閉店間際の「もう一杯」が生まれる空間
密着5回目、平日の夜9時ごろ。18席がほぼ埋まった状態で、カウンターの端では女性2人組がワインを傾けながら藤村さんと話し込んでいました。「滞在時間の制限がない」というのは、藤村商店の大事なスタンスのひとつです。
「ゆっくりしていってください、って言いたくて。食べ終わったらすぐ、みたいな空気を作りたくないんです」と藤村さんは言います。ホテル時代の経験で気づいたのは、「お客様が本当に求めているのは料理だけじゃない」ということ。人と話せる場所、ちょっとほっとできる空気——そういうものが揃って初めて「また来たい」になる。
家族で訪れたとき、子どもが食べ終わった後も夫と私はゆっくり飲みながら話を続けられました。「急かされない」というだけで、お店への印象が大きく変わります。30代〜50代、特に夫婦やファミリー層が常連になりやすいのは、こういうところに理由があるんだと思います。
閉店近くになると、藤村さんは鉄板の掃除を始めます。翌日の仕込みのために丁寧に油を馴染ませ、分厚い鉄板の表面を整える。「鉄板は育てるもの」という言葉が印象的でした。13年間、毎日この作業を繰り返してきた鉄板が、あの旨みを生む。料理の背景にそういう話があると知ると、次に訪れたときの一口目が変わります。
「うそつきピザは毎回取り合いです。家族で来るたびに追加注文してしまいます」
30代・女性(常連のお客様より)
1ヶ月・8回通って、わかったこと
週2ペースで通い続けた1ヶ月を振り返ると、「なぜここに通うのか」の答えはシンプルでした。料理が毎回美味しく、居心地がよく、財布に無理がない。その三つが揃っているお店は、松井山手エリアでなかなかありません。
藤村さんの仕事は、開店前の鉄板を温めるところから始まり、閉店後の鉄板を整えるところで終わります。その間にあるのは、33年分の経験と、「来てくれた人に本当に美味しいものを食べてほしい」という一貫した気持ちです。ホテルのレストランで接客を磨いてきた藤村さんが「気取らず普段使いできる店」を作ったのは、きっとそういう人たちのためだったんだと思います。
子どもを連れて家族で来ても、夫婦でゆっくり飲んでも、友人グループで賑やかに過ごしても——どのシーンでも「また来たい」と思えるお店が、松井山手にあります。
ぜひ一度、足を運んでみてください。フジムラです、お待ちしています。
鉄板バル藤村商店
京都府京田辺市松井ヶ丘3丁目8-16(松井山手駅徒歩6分)
営業時間: ディナーのみ(火曜定休 ※4月28日・5月5日は営業)
席数: 18席 / 全席禁煙 / 駐車場1台あり
貸切: 14名以上からご相談ください
ご予約・お問い合わせはお気軽にどうぞ。
📞 0774-64-1164
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